今の時代、ファッションは大きく高級ブランドとファストファッションに二極化していて、この流れはどんどん進んでいきそうな気がしています。長年培われた技術のあるブランド、流行のデザインを1シーズン着ることができればいいファストファッション。長く使いたいものはブランド品を買い、消耗品はファストファッションで済ませる、確かにそれが合理的だなと私も思います。
そんな中web上で、私の作った物を見て買おうかなと思ってくれる人がいるというのはほどんど奇跡に近いことだなと考えています。ブランドではない、流行しているわけでもない、全体として特に安くもない、地方に住む謎の人物が作っている。学生時代は映画研究部だったので映画に例えると、地方大学の映画研究部が作っている自主製作映画、その映画を市民会館か何かの上映会に見に来てくれるお客様。しかもお金を払って。考えれば考えるほど奇跡です。そんなことを考えていると改めてお客様を裏切ることがないように、今持つすべての技術を注ぎ込んで、精一杯のものを、と思うのです。