発注していた新しい革が届きました。フランス産の原皮をイタリアで鞣したプルアップレザーです。
プルアップレザーという聞きなれない単語が出ましたが、プルアップレザーは革の銀面(表面)とその下の層の革の間にオイルが入っており、革を曲げることでオイルが移動し色に変化が見られる革のことです。ミラージュ(蜃気楼)という名の通り、使いこむことによりオイルの移動が起こり蜃気楼のように新しい表情を見せてくれる革です。
また、コードバンという農耕馬のお尻の皮を鞣した革をご存知の方も多いと思いますが、ミラージュレザーは馬ではなく牛のお尻の皮を鞣したものになります。非常に革の繊維密度が高く堅牢でしなやかな銀面を持つ革です。
さらに写真を見て頂くと分かる通り、特徴的なのは艶です。あまりの艶で、写真を何度も撮ったのですがピントが合いません。。牛乳に含まれるタンパク質の主成分であるカゼインを使い表面に艶を出しています。このカゼイン仕上げも革が呼吸できるよう薄化粧仕上げのため、使い込むと革本来のもつ地艶が出てくるという経年変化が現れます。