大学の入学式でたまたま隣に座ったことがきっかけで仲良くなった宮崎出身の友人。
友人の名前は黒水。あだ名はクロだった。
とてつもなくお洒落な人で、高校時代に裏原を少しかじった程度の自分には、
クロの持ち物、持つ情報は何もかもが新鮮で新しかった。
本当に今見てもお洒落だと思うだろうし、タイムレスで、かつ新しかった。
トリッカーズ、リーバイス、6876、YMC、マハリシ、ロンドンのブランドだけでなく、
アメカジにも精通していてカーハートのかっこよさなどもクロから教わった。
「フレラコが生産中止になるので今のうちに買っておいたほうがいい。」
「IDという雑誌もおもしろいから読んでみて。」
「チャムスのハリケーントップもカナダ製じゃなくなるらしい。」
毎日ファッションの話で盛り上がっていた。
そんなクロと最後に2人で行った店が福岡の大名にできたばっかりのtaishi nobukuniだった。
確か階段を上った先の店で、現在ファッションブランドminotaur inst.をされている泉さんに接客して頂いた。
トイレが変わっているから見てほしいと言われ、しゃがまないといたすことのできないトイレを案内してもらったり、
楽しい空間だった。
肝心の洋服は、ツイストジーンズ(途中からねじれたようになっているデニム)やイエローの中綿ベスト。
ロンドンを感じるようなかっこいい洋服でいっぱいだった。
当時泉さんはdice&diceというセレクトショップのディレクターや、ミノトールのデザイナーをされていて、信國大志さんも以前バイヤーをされていたとかで、ODというクラブでお見かけすることもあった。
時は流れ、信國大志さんは現在テーラーをされています。
たまにwebで検索しては近況を確認していたのですが、テーラーにスーツをオーダーするほどの余裕はなく、
もう縁もなさそうだなと思っていたところに今回のTシャツを発見し購入することにしました。
生地の裁断からシルクスクリーンによるプリントまで彼が仕上げた本当にハンドメイドのTシャツ。形も非常にこだわった作り。
今まで英字の書かれたTシャツすら着たことのない、Tシャツで何かを主張することが嫌いな私ですが、彼の思想や思考に共感する部分は多く、張り切って着用したいと思います。