今年は私にとって大きな収穫となる1年でした。
革小物を作り始めたころから、ずっと探していた自分のスタイルを見つけた年です。
高校生の頃、天神にある古着屋ヴィンテージキングで買ったドイツ軍のユーティティシャツから始まったミリタリーをファッションに取り入れるという楽しみ。その後ファッション雑誌を読み漁り、マルジェラがショーで使用したフランス軍のM47やアメリカ軍のM65、M51、イギリス軍のコートなど様々なものを取り入れてきました。
そんな私は当然ミリタリーアイテムの持つ機能美に憧れ、とにかく装飾性を排したデザイン、シンプルなものを作ってきました。確かにシンプルなものは、ファッションの邪魔もしないし、長く使える、それはそれで素晴らしいものなんだけど、もう少し自分の色というかオリジナリティが欲しい。ずっと悩んでいました。
そんな中、私は革靴も大好きなので、靴とファッションの関係を調べているうちに、グッチのビットローファーとミリタリーの相性が良いということを知りました。男臭い粗野で一見野暮ったい物と、その対極にある華奢で装飾性の高いビットローファー、対極にあるものがなぜか相性がいいということ。
そこで考えたのがビットローファーのようなミリタリーと相性のよいバッグは作れないかということです。バッグに限らず小物でも、ミリタリーと組み合わせることにより調和がとれお互いの魅力を引き出すような革小物。
そして出来上がったのがスタッズを縦に一連配置した黒いレザーバッグのシリーズです。
一見華奢で女性っぽいバッグですが、ミリタリーと組み合わせることで、バッグもミリタリーアイテムもより魅力的に見えると思います。
男性が華奢なスタッズの入ったバッグを持つなんて。と思われる方がほとんどでそれが普通であると思います。
ミリタリーが好きで、人と同じバッグは持ちたくない、そんなマイノリティのためのバッグ、同じ価値観を持つほんの少しの人へ向けたバッグです。