昨年株分けした庭のコウモリランが元気に育っています。
コウモリランを流木に着生させて、生と死のコントラストを楽しむ。
ファッションもそうで、エルメスのような高級ブランドにボロボロのデニムをあわせる、そんなアンバランス、違和感のようなものに魅力を感じる。
はじめて、その魅力を感じたのは建築で、子供のころに見たアクロス福岡だ。ビルの半分が階段状になっていてそこに青々と緑が生い茂っている。都会のビルに張り付く緑を見て、なんて素敵な建物だろうと思った。
それからファッションが好きになり、自分で革小物を作るようになった。
それから10数年、自分のスタイルが作れずにずっと試行錯誤してきた。シンプルなものが好きだから、余計なデザインを入れずに作ると、どこにでもある、ありふれたものができあがった。手縫いにこだわるとほっこりとしたハンドメイド作品ができあがった。何をしてもしっくりとこない。シンプルなものは飽きずに長く使える、ハンドメイド作品は味わい深い、それらを否定するわけではないが、多くの人に自分のブランドを認識して貰うには違いが欲しい。スタイルが欲しかった。
ミリタリーをファッションに取り入れることが好きなので、ミリタリーバッグを分解し研究した。ミリタリー風バッグができあがった。自分の好きなものを突き詰めていくと、何々風にしかならないことだけが分かった。
ある日の夕方、歩きながらぼんやりと考えていた。ミリタリーが好きで、スラックスに米軍のユーティリティシャツを合わせる、M47パンツにパラブーツの黒いシャンボードを合わせる。そのスタイルに合うバッグってなんだっけ?ミリタリーが好きだから、ミリタリー風のバッグを作るんじゃなくて、ミリタリーと他の洋服を中和させ、引き立てるようなバッグ、ミリタリーに合わせることを目的としたバッグブランドってないな。
自分が子供の頃から好きな違和感、ビルに生い茂る緑、枯れ木に着生したビカクシダ、大げさに言うと生と死を一つのものに閉じ込めること。そのアンバランスを表現したものづくりをしたい。今のスタイルはここから始まりました。
そこで、参考にしたのがグッチのビットローファー、マッケイ製法の華奢な靴。靴としての機能に全く関係のない金属の装飾が施された靴。それゆえなのか、ミリタリーと相性がいい。昔の自分ならシンプルではないと否定していたもの。しかし、今の自分の考えは、シンプルイズベストではなくて、シンプルなものとそうでないもの、その調和にも魅力がある。バッグの装飾で無機質な物、スタッズ。HTCのようなハードなスタッズではなく、小さくて平らな華奢なスタッズ。有機物の革と無機物の金具のアンバランスを楽しむバッグ、ミリタリーに合わせることを目的としたバッグ。
思いのままに書いたので、読み辛い部分もあるかと思いますが、どのような思いでprsentの商品が生まれたのか、書き残しておきます。